リジェネラティブ×回復の測定

2026-07-11

リジェネラティブ×回復の測定 図版1

「ゼロでは足りない」という言葉が耳に残りました。

Ellen MacArthur財団のPodcastで、輸送用パレットのレンタル大手Brambles社(ブランド名CHEP)が語っていた話です。同社は10年かけて調達木材の100%認証化、つまり同社の言う森林破壊ゼロに到達したあと、「ゼロで満足するか、次に進むか」の分岐で次を選んだと言います。

メキシコ・タバスコ州では州政府や地権者、認証機関、大学と連携して荒廃地の森林再生に取り組み、CHEP関係者の発信ではこれまでに69万本超を植えたとされています。

地域の営みが回復の担い手になるこの構図は、日本の自然共生サイトでも、法に基づく認定の約77%が農林水産業・農山漁村関係だとされることと重なって見えます。

正直だなと思ったのは、「リジェネラティブ(環境再生型)の実務的な定義も、測定手法も、まだ手引書がない」という同社の告白です。

当初は「使う木1本につき2本育てる」というKPIを立てたものの、本数では生態系や地域社会の回復を捉えられないと気づき、面積ベースの測定に移行したとのこと。言葉が先行しやすい領域だからこそ、測り方を正直に悩む姿勢に信頼を感じます。

カーボンの測定は数十年かけて積み上がってきましたが、自然の「回復」を測る方法は、まだ入口に立ったばかりに見えます。害を減らす測定から、回復を捉える測定へ。測れないものは、企業の意思決定にも、制度にも、資金にも乗りません。ここはこれからルールとデータの仕組みが作られる領域で、私自身も模索しています。

皆さんの周りでは、「自然の回復を測る」話は、どんな形で出てきていますか。

🔗 The Circular Economy Show(Ellen MacArthur財団)
https://the-circular-economy-podcast.simplecast.com/episodes/how-does-business-benefit-from-regenerative-practices-B6TyF0bh

🔗 Brambles 2030 Sustainability Programme(認証木材100%維持・本数→面積への移行)
https://www.brambles.com/foundations-of-a-nature-positive-regenerative-model